小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

小出しの景気対策

 小沢氏は言います。

 「小出し小出しでは景気回復に大きな影響を与えることはできない。なぜ2兆円すぐ実行しないのか」

 確かに、額が大きければ大きいほど影響が大きくなるのは事実でしょう。それは誰も否定しません。しかし、問題は、その財源をどうするかということです。もし、大規模な財政出動をするためにさらに国債を増発することになれば、そのことによる影響も同時に併せて考えなければならないということです。


(注)皆さんは、ポンプの誘い水(呼び水)のことをご存知でしょうか。昔は、井戸がある家もあったわけで‥、井戸というのは、ギッコンバッコンやって、水を地下から吸い上げるわけですが、その時に、誘い水を入れてやると、後はちゃんと水が下から上がってくる、と。私たちが昔ケインズ政策について学んだときには、この誘い水が例として挙げられたのです。つまり、小額の財政出動であっても、それが誘い水になって、済はまた巧く回り出す、と。だから、みな、ケインズの政策を素晴しいと感じたわけですが、現実には、そんな誘い水の効果は殆どないことが分かったということです。


 えっ、財政出動するとしても、国債など発行する必要はないですって?

 国有財産を証券化する? でもそれ、結局政府が国有財産を担保にお金を借りることでしょ?

 利子負担がない無利子国債を発行する? 無利子国債だから、普通の国債と同じように扱わなくてもいい?

 そんなバカなことはないでしょう。うっかり作戦に乗ってしまいそうでした。


 でも、景気の2番底を恐れるのは何も日本だけではないのです。そう、今回の景気後退をもたらした張本人である米国自身が、double dip を懸念しているのです。

 では、アメリカ自身は、どうやって乗り切ろうとしているのでしょうか。追加の景気対策を打つ、という話も伝わってきているのですが‥

 オバマ大統領のスピーチを聞いてみましょう。

 「一に雇用に、二に雇用、三に雇用」というようなことを言っているのでしょうか。何と言っても米国は、失業率がまた上昇し、9.6%になってしまたほどですから。

 I am going to keep fighting every single day, every single hour, every single minute, to turn this economy around and put people back to work and renew the American Dream, not just for your family, not just for all our families, but for future generations. That, I can guarantee you.


「私は、この景気を回復させ、そして人々を職場に復帰させ、そしてアメリカンドリームを新たなものにするために、1日たりとも、1時間たりとも、或いは、1分たりとも無駄にせず闘い続けるつもりである。貴方の家族のためだけではなく、また、我々全ての家族のためだけでもなく、将来の世代のためにも闘い続けるのである。そのことを貴方がたに保証する」

 Do we want to go back or do we want to go forward? I say we want to move forward. America always moves forward. We keep moving forward every day.

「後退することを望むのか、それとも前進することを我々は望むのか? 前進することを望むと言おう。アメリカは常に前進をするのだ。我々は、毎日前に向かって進んでいるのだ」

Over the next six years, we are going to rebuild 150,000 miles of our roads - thats enough to circle the world six times, thats a lot of road.

「今後6年間に、我々は15万マイルの道路の改修を行うことになる。地球を6回も回る長さである」


 で、肝心の財政出動の規模はといえば‥、そうした道路などの改修事業のために、500億ドルを支出する予定だとか。500ドルといえば、日本円に直せば4兆円強ということですが、でも、オバマ大統領は6年でといっているわけなのです。

 これ、如何にも小出しという感じですよね。日米共に、策に窮した状態に陥っているということでしょうか。

昔習った呼び水効果があったらなあ、という気がします。

以上

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02月04日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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