小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

饒舌な小沢一郎氏

 多くの国民は、菅氏と小沢氏がどんなことを言うのだろうかと、半分期待して今朝のテレビを見ていたのではないでしょうか。

 でも‥、はっきり言って、面白くなかったですね。

 これでは視聴率は上がらないでしょう。

 何故かと言えば、二人が順番に話をするだけで‥、それにお互い余り傷つけることも言えないし‥。

 それに、菅氏の表情が冴えなかったですね。

 勝算の見通しに陰りが出てきているとでもいうのでしょうか。それとも、誰かに脅かされているのか、そんな妄想さえしたくなるほどです。

 その一方で、小沢氏は、今日も饒舌。顔色もいい! 正確に言えば、化粧の乗りが良いというべきか。

 政治とカネの問題さえなければ、多くの人は小沢氏を支持してしまいそうな雰囲気です。

 確かに、人間は笑顔を見せていた方が魅力的に見えるのです。あの麻生さんだって、そうだったわけです。


 しかし、リーダーとして求められるものは、それだけではいけないのです。国民の将来を、そして、国家の将来を憂える人でない、と。

 二人とも、地球温暖化が心配だ、なんてこれっぽっちも言いません。その時点で、私としては大いに不満足です。

 まあ、それ以外に、経済政策に関しても‥

 菅総理は、雇用、雇用、雇用というわけですが、その雇用を創出するために具体的にこんなことをやるのだと、国民に説明して、納得させることが重要です。もし、国民の誰もが納得できれば、菅さんの支持率はグーンと上がるでしょう。しかし、今のところ具体性に欠けると言わざるをせません。

 それに対して、小沢氏の言うことは、要するに財政出動を続けるということのようで、そのための財源はあるのだ、と。

 で、どこから財源を持ってくるかといえば?

 予算の全面組み替え、要するに無駄の削減。

 そして、無利子国債の発行。

 そして、200兆円ほどの国有財産の証券化なんだ、と。

 私からすれば、無利子国債の発行や、国有財産の証券化の話など、まともに相手にできないような代物です。

 そこまでして、その大事なお金を何に使うかといえば、子ども手当に使うのだ、とか。アホか、と言いたい!

 小沢氏は言うわけです。フランスなどは子ども手当を支給したから、出生率が回復したのだ、と。

 では、私は言いたい。フランスは子ども手当の財源を、付加価値税(消費税)で捻出しているのだ、と。フランスの真似をするというのであれば、消費税を上げてからやって欲しい、と。それに、フランスのように婚外子が増えても仕方がないと言ってからやってくれ、と。

 子ども手当の他にも、想定しているお金の使い道があるようです。そうです、高速道路の建設。つまり、小沢氏は、地方分権とか、地方を元気にするとかいって、要するに、また以前の自民党政権のように公共事業を復活させよう、としているわけです。

 小沢氏は、政治主導を強調します。何故だか分かりますか?

 官僚支配を打破したいから? それもあるでしょうが、官僚の支配を打破して何をするのか?

 要するに、国の予算、つまり、税金の使い道に対する官僚の発言権を封じ込め、全部自分たちで決めるということです。

 そうやって、予算の決定権や配分権を一手に握れば‥、もうお分かりでしょ?

 つまり、業者の皆様は、小沢様に足を向けて寝れないのだ、と。そして、そうなれば、企業献金か個人献金か知りませんが、何らかの形でちゃんと自分たちのところにお金が流れてくるのだ、と。これで、いつ選挙があっても、選挙資金で困ることはない、と。

 小沢氏は、どちらかと言えば、事業仕分けに消極的でした。覚えているでしょ? 新人が事業仕分けに参加するのはもっての外だとか言って。何故、事業仕分けに消極的なのか?

 それは、自分たち以外のものが、予算の決定や予算の配分に口を出すのが許せないからなのです。そんなことをされたら、自分たちの存在が目立たなくなってしまうではないか、と。

 実際小沢氏は、予算の陳情にしても、官庁への陳情は止めさせ、自分たちのところへ陳情を一元管理しました。或いは、公共事業の箇所付けも自分たちで仕切りました。


 つまり、良い悪いは別として、小沢氏は田中元総理のDNAをよく引き継いでいる、と。思いだしたら、田中元総理も、総理就任当時は国民に大変な人気がありましたよね。そして、官僚を操るのも大変に上手で。どういうことかと言えば、大臣が役人にネクタイやウィスキーなどをプレゼントするからです。大臣から声をかけてもらっただけでも喜ぶのに、ネクタイまで頂いたよ、と。

 お昼の弁当代を請求する長妻さんとは、ちょっとスケールが違うわけです。

 ただ、幾ら人気があるとはいえ、そして、幾ら地方にお金が回るようにしたとはいえ、もし、将来のことを考えていないとすれば、国としては、それは大変悲しいことなのです。

 無利子国債を発行してまで、何故、まだまだ国債の発行残高を増やそうというのか?

 国有財産の証券化など、霞が関の土地建物を売っぱらってもいいのか?

 繰り返しになりますが、そうしたお金で、また道路がつくられるなんて‥

 国債を発行して何が悪いのだ、という考え方があります。本日も、榊原教授がテレビで、国有財産の証券化などをしなくても、まだまだ国債の発行が可能だから、この際国債を増発すればいいと言いきっていました。そして、消費税の引き上げは将来行うということで、と。

 私も、現在の日本は、まだまだ国債の発行が可能であると思います。それだけの余力はある、と。

 しかし、だからと言って、何も考えずに国債の増発を続けていいのか、と思うのです。

 
 「お酒、もう一本!」

 「酔ってんじゃないの?」

 「酔ってませんよ~だ!」

 そんなことを言っていても、実際に泥酔してしまったら、身動きできなくなるのです。ああ、あの最後の一本が効いたな、と。

 国債の発行についても、市場が拒否反応を示した後で、国債の発行を慎もうとしても、もう手遅れなのです。

 私は、国債の発行を止めろなどいう乱暴なことを言う気はありません。せめて、小泉政権時代のように、新規国債の発行額を30兆円程度にとどめるというような姿勢が望まれるということです。

以上

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02月04日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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