小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

米国がデフレに?

 米セントルイス連銀のバラード総裁が、ひょっとしたら米国も日本のようなデフレに陥るかも知れないと警告しています。

 そう言えば、先日バーナンキ議長は、米国経済の将来見通しは、異例なほど不確かだとも言っていました。 unusually uncertain と。

 では、ここで問題です。

 アメリカは、日本のようにデフレに陥るのはまっぴらだと考えていますが、では、セントルイス連銀のバラード総裁は、デフレに陥らないようにするためにはどうすればいいといっているのでしょうか。次からお選びください。

(1)マイルドなインフレが起きるまでは、決してゼロ金利政策を解除しないこと。

(2)速やかにゼロ金利政策を解除すること。

(3)例外的な低さとなっている超低金利状態が長く続くであろう、などとは言わないようにすること。

(4)連銀が長期国債を買い取ることを再開すること。

(5)人民元をもっと切り上げさせること。

 さあ、如何でしょうか?

 上の5つの選択肢のうちの2つが正解です。

 (1)は如何でしょうか? デフレに対抗するための必至の覚悟にみえますが‥

  これ、残念ながら不正解なのだとか。

 (2)は如何でしょう? これも不正解。

 (3)は如何でしょうか? これ、今FRBが言っていることですよね。なのに、そんなことはいうべきではない、と。でも、バラード総裁によれば、これが正解なのだとか。

 (4)は、これも正解。

 (5)は、不正解。


 要するに、ゼロ金利政策が長く続くであろうなどということを連銀は言わない方がいいのだと、バラード総裁は言うのです。

 何故かといえば、日本が長年に渡ってゼロ金利政策などを採用し、そして長期間に渡って金利がゼロであり続けるであろうなどと約束したばかりに、市場関係者などのインフレ期待(予想)が落ち込み、その結果むしろデフレを招いてしまったからなのだ、と。ゼロ金利政策を長く維持するということは、両刃の剣であって、それによってインフレ期待(予想)を高めもするが、しかし、低める効果もあるのだ、と。

 だから、アメリカとしては日本の轍を踏まないように、ゼロ金利政策が長く続くなどとは約束すべきでないのだ、と。

 では、代わって何をすべきなのか?

 市場参加者のインフレ期待(予想)が高くなるようなことをすべきだ、と。ゼロ金利を続けるとかそういうことではなく、この際連銀が大量に国債を市場から購入するようなことをすれば、インフレ
期待(予想)が高まり、そうなればデフレに陥ることはないであろう、と。

 でも、バラード総裁は、日経のインタビューでこうも言っています。

 「リフレによる物価上昇で多くの問題が解決するとは思っていない」

 さあ、このバラード総裁の意見は、次回のFOMCの会合にどのような影響を与えることになるのでしょうか?


 私は、米国はドル安を加速する意味で、ゼロ金利政策を長期化させようと考えていると思うので、このバラード総裁の意見が影響力を持つ可能性は小さいとみています。

以上

PR / Ad Space

PR / Ad Space

クルクるアンケート

02月04日更新

自動売買って興味あります?






みんなの回答を見る

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

本サイトに掲載されている情報は、情報提供を目的としたものであり、特定商品や投資の勧誘を目的としたものではありません。
最終的な投資判断はお客様ご自身の判断と責任によってなされるものであり、この情報に基づいて被ったいかなる損害について小笠原誠治及び株式会社GCIキャピタルは責任を負いません。
小笠原誠治及び株式会社GCIキャピタルは、信頼できる情報をもとに本資料を作成しておりますが、正確性・完全性について小笠原誠治及び株式会社GCIキャピタルが責任を負うものではありません。
本サイトに記載されている情報は、作成時点のものであり、市場環境の変化等によって予告なく変更または廃止することがあります。

ページトップへ戻る