小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

オバマ大統領の輸出倍増計画

 輸出入銀行って、ご存知ですか?

 「日本輸出入銀行っていうのが、あったと思うけど‥」

 日本のじゃなくて‥

 「アメリカのイグジムバンクね?」

 その米輸出入銀行の年次総会にオバマ大統領が17年ぶりに大統領とて出席し、挨拶を述べたといいます。

 「どんなことを言ったの?」


 輸出入銀行の年次総会ですから、5年間で米国の輸出を倍増するという例の計画を‥

 「人民元のレートを引き上げるべきだ、と言ったのはそのときのこと?」

 そうなのですね。

 「でも、そんなことをいうと中国は却って態度を硬化させるのでは?」

 そうなのです。だからオバマ大統領も、人民元のレートを切り上げるべきだ、なんて乱暴な言い方はしていないのです。

 And as I've said before, China moving to a more market-oriented exchange rate will make an essential contribution to that global rebalancing effort.

「私が以前言ったように、中国がさらに市場型の為替レートに移行することになれば、世界経済の不均衡是正努力に向けて極めて重要な貢献をすることになろう」

 如何でしょうか。決してオバマ大統領は、中国に対し、どうしろこうしろとは言っていないのです。


 「如何でしょう。もし、中国がもう少し努力をしていただければ‥、つまり、市場が為替レートを決定するようなシステムになれば、不均衡問題の解決に役立つのですが」

 「不均衡って?」

 「ですから、アメリカの貿易赤字を解消したい、と」

 「ということは、我が国の輸出が減少するということ?」

 「別に、中国の輸出が減少する必要もないのですが‥」

 「だったら、どうやって貿易赤字が小さくなるの?」
 
 「中国が、アメリカの製品をたくさん買ってもらえば、それで貿易赤字は小さくなるというわけで‥」


 ということで、アメリカは世界中に自国製品を売りまくり、5年間で輸出額を倍増するつもりでいる、と。そして、そうなれば200万人の人が職を見つけることができる、と。


 各国のアメリカ大使館が、アメリカ製品の売り込み基地になりそうな気配です。

以上

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02月04日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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