小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

デフレ解消の切り札

 本日午前の衆院財務金融委員会で、菅大臣が次のように述べました。

 (デフレ脱却について)「今年いっぱいには何とか(消費者物価が)プラスに移行してもらいたい」

 (日銀に対しては)「評価しているが、結果として、まだ物価下落が続いている。より努力をお願いしたい」


 また言っていますね。

 菅大臣がまた言っているので、私ももう一度言わせてもらいます。日銀に努力をお願いしたいと言っていますが、何をどうしろというのでしょうか。日銀が実施すべき対策があるのであれば、具体的に仰ったら如何でしょうか。そうでないと、日銀も困ってしまいます。

 それに、そんなに物価を上げたいというのであれば、政府自ら努力したら如何でしょう。

 私が、いい案をお示ししましょう。

 先ずは、公務員の給与を引き上げる。

 いいですか、政府は、これまで公務員の給与やボーナスを引き下げてきたので、それがデフレを加速させた面があったのです。だから、どうしても物価を上げたいというのであれば、公務員の給与を上げればいい、と。

 もちろん、そんなことをしたら民間のサラリーマンが怒るであろうことは容易に想像がつきますし、社会的な公平性の維持の観点からもこれまでの公務員の給与引き下げは当然であったかもしれませんが、しかし、経済に与える影響の観点から考えれば、そうした措置によって物価に下落圧力がかかったことは間違いありません。

 だったら、公務員の給与を引き上げたら如何でしょうか。そうして給与を引き上げれば、消費は少しは活発になるでしょうし、民間会社も、人材確保のために初任給の引き上げを検討するかもしれません。


 では、次に第二のアイデア。それは消費税を引き上げることです。例えば、今5%の消費税率を10%に引き上げる、と。

 そうすると、恐らく物価が5%とはいかなくても、2~3%は上昇するのではないでしょうか。

 何故2~3%かといえば、価格が上昇することによって需要の減少が起きる商品がいろいろ考えられ、そして仮に需要が減少すれば、丸々5%分の価格の上昇は起きないと考えられるからです。仮に消費税を今より5%分引き上げても、価格が3%しか上昇しないとすれば、その税負担は、3%分について消費者が負担し、残りの2%分を企業側が負担する結果になるというわけです。

 但し、この案によって物価を上げることができても需要の減少が引き起こされるのであれば、実
質GDPを引き下げてしまう副作用があります。

 さあ、如何でしょうか?

 もっとましな対策はないのかって?

 他には、OPECに対して原油の生産量を少なくするように日本政府としてお願いしたら如何でしょうか。

 それが何故物価の上昇をもたらすかって?

 原油の生産量を少なくしてもらえば、世界の原油需要を賄うことができなくなり、つまり品不足が起き、その結果、原油価格の上昇をもたらし、それによって国内における物価の上昇を招くことになるからです。

 それにこの措置は、世界的にも、また自然界の生き物からも感謝される可能性があります。つまり、原油の生産量が世界的に減少することとなれば、二酸化炭素排出量の削減が可能になり、地球温暖化を阻止できるかもしれないからです。


 さあ、3つも有力な案をお示ししました。

 国民の受けがいいのは3番目の案でしょうか。ガソリン価格が上昇するので不満だという人もいるでしょうが、デフレの解消と地球温暖化防止の二つが実現できるのであれば、多少の出費の増加は我慢できるというものでしょう。

 それに大事なことを言っておきますが、デフレを解消するということは物価が上がるということになるわけですから、いずれにしても国民の出費は増加するということです。つまり、菅大臣は、国民の負担を増大させたいということを言っているのです。

以上

PR / Ad Space

PR / Ad Space

クルクるアンケート

02月04日更新

自動売買って興味あります?






みんなの回答を見る

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

本サイトに掲載されている情報は、情報提供を目的としたものであり、特定商品や投資の勧誘を目的としたものではありません。
最終的な投資判断はお客様ご自身の判断と責任によってなされるものであり、この情報に基づいて被ったいかなる損害について小笠原誠治及び株式会社GCIキャピタルは責任を負いません。
小笠原誠治及び株式会社GCIキャピタルは、信頼できる情報をもとに本資料を作成しておりますが、正確性・完全性について小笠原誠治及び株式会社GCIキャピタルが責任を負うものではありません。
本サイトに記載されている情報は、作成時点のものであり、市場環境の変化等によって予告なく変更または廃止することがあります。

ページトップへ戻る