ゼロ金利政策の解除時期
1月26日、27日に開催されたFOMCの議事録が公開されました。
会議の結果は、ご承知のようにゼロ金利政策を継続するというものであったわけですが、そのとき、1人のメンバーが採決に反対したとされていました。
もはや長期に渡って異例の超低金利が正当化されるような状況にはなくなってきている、と。反対票を投じたのは、カンザスシティ連銀のトーマス・ホーニグ総裁。
彼は、実際、どのようなことを発言していたのでしょう。
<議事録から抜粋>
Mr. Hoenig dissented because he believed it was no longer advisable to indicate that economic and financial conditions were likely to "warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period."
「経済及び金融の状況は『超低金利のフェデラルファンズレートを長期間に渡って正当化する』ことになりそうだと表明することはもはや適当ではない、という理由で、ホーニグ氏は反対した」
In recent months, economic and financial conditions improved steadily, and Mr. Hoenig was concerned that, under these improving conditions, maintaining short-term interest rates near zero for an extended period of time would lay the groundwork for future financial imbalances and risk an increase in inflation expectations.
「ここ数カ月において、経済及び金融の状況は着実に改善し、ホーニグ氏は、こうして改善した状況下において、短期金利を長期間に渡ってゼロに近い水準に維持するということは、将来の金融面での不均衡を醸成し、そしてインフレ予想(期待)を強化するリスクがあることを懸念していた」
Accordingly, Mr. Hoenig believed that it would be more appropriate for the Committee to express an expectation that the federal funds rate would be low for some time ― rather than exceptionally low for an extended period.
「従って、ホーニグ氏は、FOMCが、フェデラルファンズレートは長期間に渡って異例に低い水準にあるというよりも、暫くの間、低い水準にあるであろうという予想を表明する方がより適切であると信じる」
Such a change in communication would provide the Committee flexibility to begin raising rates modestly. He further believed that moving to a modestly higher federal
funds rate soon would lower the risks of longer-run imbalances and an increase in long-run inflation expectations, while continuing to provide needed support to the economic recovery.
「そのように表現を変更することによってFOMCは、金利を緩やかに引き上げ始めることができやすくなる。ホーニグ氏は、さらに、速やかに政策金利の引き上げに転じることは、景気回復のための必要な支援を引き続き行いつつ、長期的な不均衡と長期的なインフレ予想(期待)を増加させるリスクを減少させると信じる」
米国の失業率は現在(1月時点)9.7%。しかも、このFOMCの会合が開催された時点ではまだ10%台にあったわけです。そのように依然失業率が高い水準にあり、そして、今後も高止まりするとみられているのに、このホーニグ氏は、政策金利の引き上げの時期が近いのではないかと示唆しているのです。
これが、日本の出来事なら、恐らくホーニグ氏はバッシングに遭うことでしょう。
しかし、彼は自分の信じるところを堂々と述べているわけです。ゼロ金利政策を引き延ばすと、良いことばかりではない、と。
日本は、彼から学ぶところはないのでしょうか。
日本の場合には、いくら超低金利政策を引き延ばしたからといって、特に懸念することはないのでしょうか。
言えることは、金利を引き上げれば、借金をしている企業から預金者への所得移転が起きるということです。つまり、超低金利政策は、消費者の購買力を弱める一因になっている、と。
民主党の子ども手当支給の根拠の一つは、家計の購買力を高めるためということではなかったのではないでしょうか。
そうであれば、菅財務相が日銀にさらなる圧力をかけるのは、子ども手当の政策との整合性が保てないような気がするのですが‥
以上
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