小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

米国債格下げの可能性

 ガイトナー財務長官は、2月7日、ABCのニュース番組のインタビューで米国債の格下げの可能性について問われ、次のように述べました。

 Absolutely not.

That will never happen to this country.


恐らく、米国債を大量に保有している国は、ガイトナー財務長官が言ったとおりであることを望んでいるでしょう。

 

 もし、米国債の格付けが引き下げになることが現実に起これば、資本が米国から流出し、世界経済は大変な混乱を来すでしょう。

 そんなことは微塵も予想させてはいけないと、そうガイトナー財務長官は考えているのです。

 ただ、格付けがどうであろうと、価格は、低下するときには低下する、と。例えば、中国などの大口の保有者が米国債を一度に沢山売りに出せば、価格はどーんと下がる、と。

 では、中国は、そうした行動に出るのか?

 通常は考えられません。

 何故か?

 それは、中国自身にとって損失をもたらすことになるためです。つまり、中国が保有する国債を売れば売るほど、その価値は下がり、中国は大損する、と。

 では、中国は、いつまでも米国債を保有し続けていた方がいいのか?

 しかし、中国が米国債を売りに出なくても、他のどこかの国が米国債を大量に売りに出るようなことがあれば、米国債は暴落することも考えられるわけです。そんななかで最後まで米国債を保有し続けていると、損は大きくなるばかり。

 つまり、米国債は売ってはいけないが、売らなくてもいけない、と。難しいものです。


 いずれにしても、これだけ政府の赤字が拡大しているのに、格付けが全然下がらないのも不自然です。

 
以上

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03月19日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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