小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

ドル暴落の可能性

 明日(現地時間では2月5日)、カナダでG7が開かれ、金融規制強化策や人民元レートについて話が持たれると言われていますのが、そのG7に日本からは菅財務相が初参加することになっています。さぞかし張り切っていると同時に、相当に緊張しているのではないでしょうか。

 いずれにしても、アメリカは主張するでしょう。人民元のレートは低すぎるのではないか、と。人民元レートが市場で決まるのであれば、何もいうことはないが、国が為替介入していることだし‥。

 

オバマ大統領は、2月3日、はっきりと言いました。

 One of the challenges that we've got to address internationally is currency rates and how they match up to make sure that our goods are not artificially inflated in price and their goods are artificially deflated in price. That puts us at a huge competitive
disadvantage.

「我々が国際的に取り組む必要のある課題の一つは、為替レートである。我々は、我が国の製品の価格が不当に吊りあげられ、そして彼らの製品の価格が不当に引き下げられることがないようにするためには、どうすればよいかということである。そのようなことが起こると、我々は競争力を大きく損なわれてしまう」

 オバマ大統領は、先日行った一般教書演説で、雇用創出のために輸出を5年間で倍増する目標を立てるといいました。その目標を達成し雇用を創出する意味でも、人民元のレートを適正なものとすることが必要だと感じていることでしょう。

 では、我が国は、そうした米国の考えにどう反応すべきなのか? そしてまた、中国は、そうした米国の要請にどう応えるべきなのか?


 本日は、細かい話はしません。それは、もう既に何度もお話しているからです。

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 本日、ここでご紹介するのは、ドル暴落の可能性についてです。

 何故、ドル暴落が起きる可能性があると考えるのか? その際、円はどうなるのか?

 今後のドルの動向を予想する上で重要なことは、中国経済の成長のスピードと中国のドルに対する選好の変化だと思います。

 中国は、現在、今後も8%を超える経済成長率を確保したいと考えているようです。そして、2009年は8.7%の成長を達成しました。

 仮に、今後中国が年率10%で成長すると仮定してみましょう。そして、そうなると、恐らく中国は人民元レートを毎年数パーセントは切り上げることになるでしょうが、その切り上げのスピードは徐々に上がり、場合によっては年率5%ほどの上昇を予測することもそれほど不自然ではなくなるでしょう。

 こうして、GDPが実質で毎年10%増加し、そして人民元レートが毎年5%上昇すると、どんなことが起きるでしょうか。つまり、中国のドル建ての実質GDPが毎年15%増加すると、どういうことになるのか。

 仮に、そうした状態が5年続くと、GDPは現在の2倍になるということです。そして、そういう状態がその後さらに5年続くと現在の4倍になる、と。そうなると、あと7、8年もすると中国のGDPが米国に並ぶ日が来るということになります。

 もっともこのとき、米国の実質経済成長率はゼロと仮定しているわけですが‥

 そのような状況になったとき、或いはそのような状況が一般的に予想されるようになったとき、世界の国々は今までと同じようにドルを重視し続けるというのでしょうか。何よりも中国自身のドルに対する認識が変化するのではないでしょうか。

 恐らく、中国が米国のGDPを遠からず抜くと思うようになったときに、中国のドルに対する態度が大きく変わるのではないでしょうか。

 要するに、7、8年後にはドルの価値が大きく低下していると考える方が合理的なのです。但し、言っておきますが、それはドルと人民元の関係においてであって、ドルと円の関係においては、
それほどのドル安は起こらないでしょう。

以上

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02月04日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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