小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

白川日銀総裁の頭の中

 昨日、日銀の白川総裁の記者会見がありました。本日は、その会見の内容をチェックしてみることにします。

 白川総裁は言います。「二番底は回避できる!」と。

 新興国の経済が成長し、それが先進国側の輸出や設備投資にいい影響を与えるからだ、と。

 確かに‥

 


 中国の2009年10-12月期の実質GDPは、前年同期比で10.7%も伸び、そして2009年通年でも8.7%も伸びていました。

 で、日本への影響はといえば‥

 本日発表になった我が国の12月の輸出は、前年同月比12.1%増加の5兆4128億円だったのですが、前年同月比でプラスになるのは、なんと15ヶ月ぶりのことなのですって。


 輸出の伸び率(前年同月比)の推移をみてみます。

2008年12月  4兆8305億円 -35.0%
2009年01月  3兆4804億円 -45.7% 
2009年02月  3兆5264億円 -49.4%
2009年03月  4兆1838億円 -45.5%
2009年04月  4兆1958億円 -39.1%
2009年05月  4兆0204億円 -40.9%
2009年06月  4兆5995億円 -35.7%
2009年07月  4兆8440億円 -36.5%
2009年08月  4兆5104億円 -36.0%
2009年09月  5兆1102億円 -30.6%
2009年10月  5兆3085億円 -23.2%
2009年11月  4兆9906億円  -6.3%  
2009年12月  5兆4128億円  12.1%

 
 さあ、如何でしょうか。我が国の輸出は、前年同月比でみて最大50%近くも落ち込んだときがあったのですが、11月には落ち込み幅が一桁にまで戻り、そして、12月にはプラスに転じているのです。

 では、どんな品目が伸びているのかといえば、寄与度順に並べると‥、半導体等電子部品、自動車の部分品、そしてプラスチックです。

 では、地域別では‥

 米国への輸出は、まだプラスには転じていません。しかし、EU向けは、17か月振りにプラスになり、そして何よりも中国への輸出が伸びています。12月の中国向けの輸出は42.6%も伸び、2か月連続のプラスであるとか。


 ということで、日銀総裁の言ったことが当たっているという訳です。なんか、将来が少し明るくなったような気がします。


 物価の見通しは、どうなのでしょうか。

 09年度:-1.5%
 10年度:-0.5%
 11年度:-0.2%

 つまり、しばらくはデフレ基調が続くということで、景気が急速に回復することはなさそうですね。

 白川総裁は、米国の新金融規制改革についても聞かれています。

 「他国の個別政策にコメントするのは差し控えたい」と言いつつ、次のようなことを言っています。

 「より強固な金融システムの構築に有効な枠組みであること」

 ということは、今回のボルカールールをある程度評価するということでしょうか。

 「マクロ経済や金融活動の回復を阻害しないように配慮すること」、「規制監督の見直しやタイミングに関して柔軟性を確保すること‥」とも言っています。

 金融規制改革については、その副次的な効果にも十分配慮して、注意深く実施することが必要だと言っているようにも聞こえます。

以上

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03月12日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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