小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!

マイナスの物価は許容せず

 日銀の金融政策決定会合が開かれました。政策金利の方は、0.1%のまま据え置き。

 しかし、今回は、おまけがつきました。

 「(消費者物価は)ゼロ以下のマイナスの値は許容していない‥」と。

 政府が、デフレ宣言を行ったことであるし‥、そして、日銀としても政府と足並みを揃える必要があるし‥、それに、そうした宣言を行っても、特に弊害はないであろう、と。

 

 つまり、誰も文句をいうものなどいないから、いいではないか、と。

 物価の下落が気になるのはよくわかります。それは、物価の下落が景気回復の足かせになる恐れがあるからです。

 物価が下がると、そして、もし、金利がもうこれ以上下がることができないレベルにあれば‥、その場合の金利とは、名目金利を指すわけですが、インフレ率が低下する分、実質金利は上昇するではないか、と。

 つまり、そうでなくても大変な状況にある企業経営に、さらなる金利負担がかかってしまう、と。

 つまり、物価の下落を放置するということは、企業を見捨てるということか、と。

 でも、企業経営者が、物価が下がって困るなどというのは、普通は殆ど聞きません。そんな小難しいことをいうのは経済学者と経済評論家に限られるのです。

 企業経営者が嫌がるのは、競争相手が価格を引き下げて競争が激化することです。競争相手が価格を引き下げない限り、物価は下がった方が、むしろありがたいとさえ感じているでしょう。何故なら、中小零細企業の経営者も、物価が安くなると生活が楽になるからです。

 それに百歩譲って、お金を借りている人の実質的な金利負担が増加するというのであれば、逆に、お金を預けている預金者の実質的な金利収入は増加しているはずです。だから、預金者にとっては大いにプラスになり、その分は景気刺激効果があるはずです。

 そういうこともよくPRして、国民の気分が沈まないようにすることが必要な気がするのですが。だって、景気は気からともいいますから。


 それに物価にあまりに神経質になるのも如何なものでしょうか。さらに、マイナスは許容しないないなんて言って、もし、マイナスが続いたら、その時日銀はどうするつもりなのでしょうか。それに、日銀に何ができるのでしょうか。もうそのことは実験済みであるのです。

 しかし、そこは大人の対応。殆ど有効な手だてがないと分かっていても、こうやって政府の顔を立てることが肝心だ、と。

 まあ、こうやって超低金利政策を今後も取り続けるという姿勢を鮮明にすることによって、円高圧力を緩和しているということでしょうか。


以上

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02月04日更新

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小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)

1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。
大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、
中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。
以降、経済コラムニストとして活躍。
メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。
著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」(秀和システム)、
ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる」(秀和システム)、
経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(秀和システム)がある。
企業・団体などを対象に、経済の状況を分かりやすく解説する講演も引き受ける。

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