三橋貴明の「経済記事にはもうだまされない!」

第57回 経済成長の意味(2/2)

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当ブログの執筆者である三橋貴明氏は参議院議員に
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読者の皆様にはご迷惑をおかけしたしますが、
何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

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(1/2の続き)

 ご存じの通り、中国は09年に景気対策として国内で大規模公共事業を実施した。さらに、銀行融資を強引に拡大させた結果、国内で不動産バブルが再燃してしまった。

 公共事業の拡大は、GDPの「公的固定資本形成(公共投資)」項目を、不動産バブルは「民間住宅投資」項目を拡大させる。結果、08年には40%程度であった中国の「投資対GDP比率」が、09年には45%にまで高まってしまったわけだ。

 もともと、中国はGDPに占める投資の割合が大きかったが、それにしても極端である。
いずれにせよ、中国のように国内の投資(不動産投資や設備投資、政府の公共投資)を中心に経済成長を達成する例もあるのである。すなわち、上海や北京などの主要都市で不動産バブルを起こし、誰も住まず、テナントも入らないビルが乱立しても、経済成長は達成できるのである。

 さらに、乱開発で工場を建てまくり、自然破壊を重ね、国内各所に「七色の川」が流れる状況になったとしても、やはり経済成長は達成できる。無論、環境汚染が激しい地域にすみ人々は地獄を見るだろう。だが、別に環境破壊分の数値が、GDPの総計から控除されるわけでも何でもない。

 ちなみに、筆者は別に、
「経済成長のために、中国のように不動産バブルを起こし、自然を破壊しまくれ」
 などと、極論を述べているわけではない。単に、経済成長とは「そういうもの」だと言っているだけだ。

 極端な例をあげると、経済成長だけを達成したいのであれば、国内の治安を悪化させればいいのである。

 国内の犯罪が激増すれば、治安要員の増加が必要になる。さらに、刑務所なども新設していかねばならない。そうなると、GDP内の政府最終消費支出(治安要員の給与など)や公的固定資本形成(刑務所の新設)などの項目が拡大し、経済成長は「一応」達成できる。

 しかし、犯罪が激増し、以前よりも暮らしにくい社会になったにも関わらず、
「我が国は、大いなる経済成長を達成しました!」
 などと政府に宣言されても、国民としては怒り心頭に達することになるだろう。


 経済成長ひとつとっても、その定義や意味により、これほどまでに現実が変わってくるのだ。すなわち、「どのGDP項目を、どのように増やすことで経済成長するのか」を明らかにしない限り、「経済成長」という言葉自体には、ほとんど意味がないということである。

 すなわち、政府は「どのように成長させるか」、あるいは「どのGDP項目を成長させるか」を考えるべきで、それこそがまさに成長戦略である。

 ところが、既存の民主党政権は、そもそも日本経済が「成長できる」という大前提に立っていないように見受けられ、筆者としては不安を覚えずにはいられないわけである。



【Klugよりお知らせ】

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02月04日更新

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三橋貴明(みつはし・たかあき)

三橋貴明(みつはし・たかあき)

1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。
外資系IT企業ノーテルをはじめ、NEC、日本IBMなどに勤務した後、2005年に中小企業診断士を取得、2008年に三橋貴明診断士事務所を設立する。現在は経済評論家、作家として活躍中。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」での発言を元に執筆した『本当はヤバイ!韓国経済―迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社)が異例のベストセラーとなり一躍注目を集める。同書は、韓国の各種マクロ指標を丹念に読み解き、当時日本のマスコミが無根拠にもてはやした韓国経済の崩壊を事前に予言したため大きな話題となる。
その後も、鋭いデータ読解力を国家経済の財務分析に活かし、マスコミを賑わす「日本悲観論」を糾弾する一方で、日本経済が今後大きく発展する可能性を示唆し「世界経済崩壊」後に生き伸びる新たな国家モデルの必要性を訴える。
崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『中国経済がダメになる理由』(PHP研究所)、『ドル崩壊!』 など著書多数。ブログ『新世紀のビッグブラザーへ blog』への訪問者は、2008年3月の開設以来のべ230万人を突破している(2009年4月現在)。

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