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米12月住宅着工、4%減=寒波と住宅在庫高水準で
-対照的に建築許可件数は11%増-
【2010年1月21日(木)】 - 米商務省が20日発表した昨年12月の住宅着工件数(季節調整値)は前月比4%減の年率換算55万7000戸と、市場予想のコンセンサスである57万2000戸を下回った。
これは、12月は北東部を中心に寒波に見舞われたことや、住宅業界が依然、新築住宅の売れ残り住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む)を積極的に減らしているため、新規の着工件数が伸び悩んだと見られている。
ちなみに昨年11月時点で市場に売り出された新築住宅は約60%減の23万5000戸と、1971年以来38年ぶりの低水準にまで絞り込まれている。
ただ、建築業界のマインドを示す同月の建築許可件数が前月比10.9%増の年率換算65万3000戸と、市場予想の58万戸を大幅に上回り、2008年10月以来1年2カ月ぶりの高水準となった。
また、前月(昨年11月)の着工件数も温暖な気候に助けられて57万4000戸(前月比8.9%増)から58万戸(同10.7%増)に上方改定されたことから、住宅産業は回復軌道に乗っている兆候を示していると見られている。
■建築許可件数の急増でも懸念残る
しかし、その一方で、建築許可件数が大幅に増加したとはいえ、必ずしも今後の住宅着工の増大につながるとは限らないという見方もあるようだ。これは、いま新築住宅を着工しても政府の景気対策が終わるまでに市場には出てこないため、建築業者は景気対策が切れたあとの住宅市場の需要動向次第で、事前に取得した建築許可を放棄する可能性も指摘されているからだ。
最近の住宅着工の推移を見ると、昨年8月は58万1000戸、9月は58万6000戸、10月は52万4000戸に減少するが、11月には58万戸に拡大しており、ここ5カ月間は平均56万6000戸の水準で足踏み状態が続いている。
政府は景気対策の一環として、新規住宅取得者に対する税額控除(最大8000ドルで住宅価格の約10%に相当)の適用期間を当初の昨年11月末から今年4月末まで5カ月間延長している。また、同時に中古住宅の取得に対しても最大6500ドルの税額控除の規定を追加した。これは、住宅取得控除がGDPのプラス成長への転換に寄与していることから、景気回復を後押しするために取られた措置だ。
一方で気になるのがフォークロージャー件数(デフォルト通知や競売通知、銀行差し押さえ件数の合計)の動向だ。米不動産調査会社リアルティトラックが14日発表した昨年12月の同件数は前月比14%増の34万9519戸と、5カ月ぶりに増加に転じ、前年比でも依然15%増の高水準となっている。この結果、2009年全体の同件数は前年比21%増の280万件となり、これは2007年の2倍以上に相当する。
アナリストの多くは今年春からフォークロージャー件数が再び増加する可能性があると見ている。格安のフォークロージャー物件の増加は、住宅市場の供給過剰を引き起こし、売れ残り住宅在庫が増加、在庫を減らすため、住宅着工が抑制されるからだ。
こうしたフォークロージャー拡大に歯止めをかけるため、政府は現在、財務省が中心となり、失業中の世帯主の借入金の元本を減額する対策を検討している。
■一戸建て着工件数は6.9%減
12月は主力の一戸建ての着工が大幅に下落したのが特徴だ。一戸建て住宅着工件数は、前月比6.9%減の年率換算45万6000戸となった。一方、2世帯以上のアパートの着工件数は同12.2%増の10万1000戸と急増。そのうち、5世帯以上のアパートは、同15%増の9万2000戸となっている。
前年比では全体の着工件数は、0.2%増で、そのうち、一戸建ては16.0%増、5世帯以上のアパートは40.3%減となっている。ちなみに、12月の一戸建ての着工件数は、2009年2月の底からは28%増となっているものの、2006年1月のピーク時からは75%減と、依然厳しい状況だ。
■12月の建築許可件数、10.9%増=14カ月ぶり高水準
また、この日同時に発表された昨年12月の建築許可件数(季節調整値)は前月比10.9%増(前年比15.8%増)の年率換算65万3000戸と、2008年10月以来1年2カ月ぶりの高水準となった。11月は58万9000戸に続いて2カ月連続の増加。
特に、主力の一戸建ての建築許可件数は前月比8.3%増の50万8000戸と、11月の46万9000戸に続いて2カ月連続の増加なった。2-4世帯のアパートが同28%減の1万8000戸、5世帯以上のアパートは同33.7%増の12万7000戸と、大幅増加となった。
■1月業況判断指数、15に低下
また、この着工統計の前日(19日)に発表された、住宅業界の業況判断を示す1月初旬のNAHB(全米住宅建設業者協会)住宅建設業者指数は、前月(昨年12月)の16から15に低下した。この15という数値は、6業者のうち1業者しか現在の状況を「良い」と見ていないことを示す。
2009年1月の過去最低の8からは改善傾向にあるものの、依然、好不況の分かれ目となる50を下回り続けている。NAHBの主任エコノミストは、住宅ローン金利の低下や政府の住宅減税政策にもかかわらず、消費者は雇用回復の兆しがしっかりするまでは買い控えを続けるだろう、と見ている。
サブ指数のうち、向こう半年先の販売見通しを示す期待指数は前月からは変わらずの26だった。また、足元の業況感を示す現況指数は前月の16から15に低下、また、住宅訪問者指数も前月の13から12に低下している。
同指数は50を下回ると、大半が業況の悪化を感じていることを示す。同指数のピークは2005年6月の72だが、2008年4月以降、20を割っている。(了)
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