増谷栄一のアメリカ経済情勢ファイル
【お知らせ】「増谷栄一のアメリカ経済情勢ファイル」は6月30日で終了いたしました 。
いつも「増谷栄一のアメリカ経済情勢ファイル」をご愛読いただきまして誠にありがとうございます。当ブログは2007年5月より連載してまいりましたが、2011年6月30日(木)をもって終了いたしました。4年間にわたる皆様のご愛顧に感謝し、御礼申し上げます。

米民間部門の雇用改善依然続く=12月ADP雇用統計

【2010年1月7日(木)】 - 大手給与計算代行会社ADP(オートマチック・データ・プロセッシング社)が6日発表した、昨年12月の政府部門を除いた民間部門だけの新規雇用者数(非農業部門)は前月比8万4000人減と、23か月連続の減少となった。

 しかし、減少幅は2008年3月以来1年9カ月ぶりの小幅となったほか、前月(昨年11月)の雇用者数も前回発表時の同16万9000人減から、今回の発表では14万5000人減と、2万4000人も上方改定されている。

 ADPでは、雇用の減少幅が急速に縮小しているとしており、今後もこの縮小傾向が続けば、数カ月以内には民間部門の新規雇用は増加に転じると楽観的な見方を示している。

 ADP統計をまとめたマクロエコノミック・アドバイザーズも、「正しい方向に向かっていることは明らかだ」としており、エコノミストの多くは、雇用状況は依然改善傾向にあると見ている。

 雇用統計は経済活動を反映する重要指標と見られている。今回の統計では雇用市場の改善傾向が確認されたとはいえ、減少幅は市場予想の同7万5000人減を9000人上回った。

 このため、ニューヨーク株式市場では、今回の統計結果が市場予想より悪かったことが嫌気され、主要株価指標のダウ工業株30種平均は伸び悩んだ。結局、ダウ平均は、前日比1.66ドル(0.1%)高の1万0573.68ドルとほぼ横ばいで引けている。

■政府雇用統計は2年ぶりに増加か

 ADP雇用統計は民間部門だけの数値のため、これに政府部門の推定1万人減を加味すると、昨年12月の官民合計の新規雇用者数は9万人4000人減となる見込みだ。ただ、一般的に、ADP統計は政府部門の数字が含まれていないので、労働省が発表する政府統計を正確に占うことが出来ないといわれる。

 今週末(8日)に労働省が発表する昨年12月の新規雇用者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み)の市場予想は、前月比1万人減との見方がある一方で、反対に1万人増と、2年ぶりに増加に転じたとの見方もある。いずれにしても前月(昨年11月)の1万1000人減から大幅に改善すると見られている。

■昨年12月ISM、非製造業と製造業ともに改善

 昨年12月のADP統計で、減少幅が縮小したのは、製造業が減少したものの、サービス業が増加に転じたためだ。また、大企業の減少幅も昨年4月ごろを底に改善してきていることも大きい。

 製造業(前月比4万3000人減)と建設業(同5万2000人減)を合わせた広義の製造業(財生産業)は前月比9万6000人減と、昨年11月の同8万8000人減から悪化している。

 これに対し、サービス業は昨年11月の前月比5万7000人減から、今回は同1万2000人増と、2008年3月以来1年9カ月ぶりに増加に転じている。

 また、建設業の雇用減少はこれで35カ月連続の減少となり、2007年1月以降で計177万7000人に達した。また、金融サービス業は1万2000人減となっている。

 また、企業規模別では、中堅企業(従業員数50-499人)の新規雇用者数が前月比2万5000人減(11月は4万4000人減)、小企業(従業員数が50人未満)も同2万5000人減(同5万9000人減)、大企業(従業員数500人以上)も同3万4000人減(同4万2000人減)と、いずれも減少幅が縮小している。

 ただ、4日に発表されたISM(サプライマネジメント協会)の昨年12月の製造業PMI(購買部景気指数)は、昨年11月の53.6から55.9に上昇。また、サブ指数の雇用指数も昨年11月の50.8から52.0に改善している。

 また、7日に発表された昨年12月のISM非製造業PMIも昨年11月の48.7から50.1に急上昇し、市場予想の50.5は下回ったものの、好不況の判断の分かれ目となる50に達した。雇用指数も昨年11月の41.6から44.0に改善している。

■昨年12月レイオフ者数、2年ぶり低水準

 一方、米雇用コンサルティング大手チャレンジャー・グレー・アンド・クリスマスが6日発表したレイオフ統計によると、昨年12月のレイオフ者数は前月比10%減の4万5094人と、リセッション(景気失速)が始まった2007年12月以来2年ぶりの低水準となり、ほぼレイオフは終わったことを示している。

 2009年全体では128万8030人のレイオフが発表され、2002年以来7年ぶりの高水準となっており、特に、自動車業界のレイオフ者数は17万4192人に達した。チャレンジャー社は25業種の解雇者数をカバーしている。(了)

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02月04日更新

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増谷栄一(ますたに・えいいち)

増谷栄一(ますたに・えいいち)

経済ジャーナリスト。北海道生まれ。早稲田政経学部卒。
1988年ジャパンタイムズ入社、編集局記者として世界100カ国の特集記事を制作。
1992年日経国際ニュースセンター編集室総合編集部次長を経て、1996年~2000年まで
米国経済通信社ブリッジ・ニュース東京特派員として日米の政治、経済、マーケットを取材。
1998年から2年間、ニューヨーク、ワシントン支局でアメリカのマーケット、重要経済統計、米政府、
財務省、米議会などをシニア・エディターとして取材。G7財務相・中央銀行総裁会議を3度取材。
その後、米国通信社ダウ・ジョーンズ通信社のコピー・エディターを経て、2001年1月から2004年9月まで
AFX通信社(AFP通信の経済ニュース部門)東京特派員。
2004年4月から2007年3月末までライブドア・ニュース外報部チーフ。
2007年11月まで英米金融情報サービス、トムソン・ファイナンシャルの起債担当記者。
2009年2月から経済ニュースサイト「NNAヨーロッパ」の編集長としてロンドンに駐在中。

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