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米10月個人消費、増加に転じる=所得の伸びが下支
-高失業率と買い渋りで消費の強い伸びは期待薄-
【2009年11月28日(土)】 - 米商務省が25日発表した10月の個人所得・支出統計は、個人消費支出は、個人所得の緩やかながらも4カ月連続の伸びに支えられて前月比0.7%増と、9月の大幅減少から一転して増加となった。
政府の「Cash for Clunkers」と呼ばれる、新車買い替え支援制度(30億ドル規模)の剥落で、9月が前月比0.6%減となったのとは対照的な結果となった。また、10月は市場予想の同0.5%増も上回っており、新車買い替え支援制度で前月比1.3%増となった8月に次ぐ大幅な増加となっている。
一方、個人所得は前月比0.2%増と、市場予想の同+0.1%を上回り、9月の0.2%増に続いて4カ月連続の増加(うち、0.2%増は2回連続)となった。しかし、雇用市場の悪化が続いていることを反映して、依然として伸びは緩慢だ。
また、銀行の貸し渋りが続いているため、消費者は自動車や家電などの購入を手控えざるを得ないことから、エコノミストは第4四半期(10-12月)の個人消費の強い伸びは期待できないとの懸念を強めている。
ただ、その一方で、今回の10月の統計内容は強かったとし、政府の景気刺激策が個人消費の拡大に効果を示し始めているとの見方もあり、景気の見方に対する強弱が交錯している。
しかし、商務省が24日発表した2009年第3四半期(7-9月)実質GDP伸び率(季節調整済み、前期比年率換算)の改定値は、先月下旬に発表された速報値+3.5%から+2.8%と、大幅な下方改定となったが、この主因は個人消費の下方改定だった。
GDP全体の約70%を占める個人消費支出だが、改定値は速報値の前期比年率+3.4%から+2.9%に下方改定されている。前期の-0.9%からは大幅に改善しているが、1970-2007年の四半期ベースの平均伸び率+3.4%を依然下回ったままだ。
■第4四半期以降の成長率は個人消費次第
ただ、第4四半期のGDP伸び率については、10月の中古住宅販売が2007年2月以来2年8カ月ぶりの大幅増となったように住宅市場が堅調となっていることから、エコノミストはこれまでの大幅な鈍化予想を上方修正して、+3.1%にとどまると見ている。
しかし、来年初めにはGDP伸び率は鈍化し、個人消費が伸び悩む場合には、+1%成長にまで低下するとの見方もある。
FRB(米連邦準備制度理事会)は24日にFOMC(公開市場委員会)議事録を発表したが、その中で、FRBは2009年と2010年の経済見通しを上方修正している。しかし、失業率は依然として高く、景気回復のペースは抑制的とみている。
議事録によると、FOMCの各委員の失業率の予想(中央値)は、26年ぶりの高水準となった11月の10.2%から、2010年は9.3~9.7%にやや緩むとはいえ、依然として高水準が続く。2011年からようやく8.2~8.6%に低下、2012年は6.8~7.5%になると予想している。
また、こうした高水準の失業率が当分続く中で、GDP伸び率の予想(中央値)は、2009年が-0.4~-0.1%(前回6月時は-1.5~-1.0%)のマイナス成長だが、2010年は+2.5~+3.5%(+2.1~+3.3%)、2011年は+3.4~+4.5%(+3.8~+4.6%)、2012年は+3.5~+4.8%となっている。
また、所得の伸びよりも消費の伸びが大幅に上回った結果、貯蓄率は9月の4.6%から10月は4.4%に低下した。15年ぶりの高水準にまで上昇した5月の6.0%(4月は4.5%)の状況からは低下しているとはいえ、2008年初めのころは1%を下回っていたことから比べると、依然高水準に変わりはない。
■可処分所得は伸び加速=8、9月データも上方改定
個人所得のうち、可処分所得は、10月は前月比0.4%増と、9月の同0.2%増を上回り、4カ月連続の増加なった。過去のデータの改定では、9月は横ばい(0%)から同0.2%増へ、8月は同0.1%増から同0.3%増に上方改定となっている。
インフレ調整後の実質でも同0.2%増となり、9月の同0.1%増からは伸びが加速している。
一方、個人消費支出は、名目ベースでは、10月は前月比0.7%増と、9月の同0.6%減から増加に転じたが、新車買い替え支援制度の影響を受けた8月の同1.3%増の半分程度の伸びになっている。過去のデータの改定では、9月は前回発表時の同0.5%減から同0.6%減へ、8月も同1.4%増から同1.3%増にいずれも下方改定されている。
また、インフレ率調整後の実質ベースでは、9月の同0.7%減から同0.4%増と、増加に転じたが、8月の同1.0%増の半分以下の伸びにとどまっている。
個人消費支出の内訳は、実質ベースで、自動車や家電などの耐久財が前月比2.0%増と、9月の同8.7%減から増加に転じたが、新車販売が急増した8月の同6.8%増には及ばない。食料品や衣料品などの非耐久財は同0.2%増(9月は同0.6%増)、サービスは同0.3%増(9月は同0.2%増)だった。
■コアPCE、前年比1.4%上昇=FRBの容認レンジを依然下回る
インフレの動向を示すPCE(個人消費支出)物価指数は、前月比0.3%上昇、前年比は0.2%上昇となった。また、FRBが重視しているコアPCE物価指数(値動きが激しいエネルギーと食品を除く)は、前月比は0.2%上昇(9月は0.1%上昇)、前年比は1.4%上昇(9月は1.3%上昇)と、FRBが望ましいとするレンジ+1.5~+2%を依然、下回っており、FRBの現行の超低金利政策に対する脅威にはなっていない。エコノミストの多くは、FRBは来年のある時期まで、場合によっては、2011年まで金利が据え置かれる可能性があると見ている。
FOMC議事録でのコアPCEの予想も2009年は1.4~1.5%(前回6月時は1.3~1.6%)、2010年は1.0~1.5%(1.0~1.5%)、2011年は1.0~1.6%(0.9~1.7%)、2012年は1.0~1.7%と、FRBの容認レンジに入っている。(了)
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