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米国経済の現状評価と展望

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(1)2008年前半の米国景気は当初の悪化の見通しを上回り、停滞にとどまった。住宅市場で大幅調整が続いたが、減税効果もあり個人消費と設備投資が緩慢な伸びを確保したことと、輸出が好調だったためである。一方で、物価は景気停滞の割には高水準が続き、金融政策の先行き不透明感が強まった。

(2)住宅市場の調整は予想以上に長期化。資本が毀損した金融機関が増え、信用収縮に拍車が掛かったことが大きな原因。市場の大半を占める中古物件において、住宅の購入意欲を持つ家計の資金調達が滞り、住宅価格が下落しても需要が回復せず、逆に在庫が膨らんで価格が一段と下落するという悪循環が生じている。

(3)最近ではプライム層の住宅ローンの延滞も増え、同ローン債権の半分を保有するファニーメイとフレディマックの二大住宅金融公社の経営が悪化。財務省とFRBの緊急支援策発表、米議会での両公社支援を含む住宅関連法案可決により、両社は窮地を脱したが、住宅市場の調整が長引けば両公社の経営は再び圧迫される。住宅市場の調整は09年度末まで要すると見られ、それまで住宅・金融の両市場は要警戒の状態が続く見通し。

(4)消費者心理は、住宅市場の調整と信用収縮、エネルギーと食料の価格高騰、雇用悪化等の
要因が重なって、第二次石油危機直後レベルまで悪化。特にエネルギーコストの急増が家計を圧迫。それでも08年前半の個人消費は、減税効果から緩やかな伸びを確保。同効果が消える後半は前期比横ばい近くまで伸び率低下の見通し。

(5)08年度前半の設備投資は、景気が停滞にとどまったため、緩慢な伸びを確保。だが、年後半に個人消費が鈍化すれば、設備投資の前期比減少は避けられない。

(6)輸出は堅調であり、今後も造成を保つと見込み。背景にあるのは、ドル安進展と新興国の減速傾向だが堅調な経済成長。ただ輸出の対GDP比が12%前後と低い米国では、輸出による景気の下支えは限界がある。

(7)標準的に見れば、08年前半の1%成長(前期比年率)の対して、後半は需要が伸びず、輸出拡大でわずかな経済成長を確保の見通し。政策効果が景気の底を08年度前半から後半にずらした形であり、08年度通年の実質GDP成長率は1.5%程度、潜在成長率の2%台半ばを大きく下回る水準にとどまる。09年も、回復ペースが上がるのは年後半であり、通年の成長率は同じく1.5%程度。リスクシナリオは、08年度後半に原油価格の大幅上昇や住宅・金融市場の混乱拡大が起きる場合であり、同期間のマイナス成長、09年前半までの混乱が見込まれる。

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02月04日更新

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