村田雅志のKlugView グローバル投資のポイント

直感とは逆に回復を続けそうな日本経済

12月21日に発表された貿易統計速報(11月)によると、輸出は前年比6.2%減と、減少率は、昨年10月以降で最も小幅となりました。輸出を地域別にみると、米国向けが前年比7.9%減、EU向けが同15.9%減となった一方で、アジア向けは同4.7%増と1年2カ月ぶりの増加となりました。

アジア向け輸出がプラスに転じた理由は、中国向け輸出が前年比7.8%増と大きくプラスになったためです。総額4兆元の景気対策が実施されていることで、スチレン(プラスチックの原材料)などを中心に輸出が拡大しています。

アジア向け輸出を数量と価格に分解すると、数量が前年比11.9%増となる一方で、価格は前年比6.4%の低下と方向性が分かれています。しかし輸出価格については、今年11月末のドル円レートが86円台と、昨年11月末(95円台)から1割近くも低下していることを考えれば、為替の影響を除くベースでは(若干でしょうが)プラスといえます。これは、アジア向けだけでなく、米国向けやEU向けも同じことが言え、輸出価格は持ち直していると判断してよさそうです。

足元では、ドル円が2カ月ぶりに91円台半ばを回復しており、12月の輸出価格は為替レートの影響を含めても前年比プラスになる可能性がでてきました。輸出は日本の輸出企業の生産活動(ひいては日本景気)に直結しますので、12月の経済指標は生産活動を中心に回復基調が強まる期待が高まるでしょう。

日本経済新聞社がまとめた「社長100人アンケート」によると、日本景気が本格回復する前に再び下降する「二番底」を警戒している経営者が全体の47.2%を占めているそうです。内需の低迷やデフレなど、日本景気の先行きを懸念する要因はたくさんありますので、アンケート結果は、比較的、納得できるものといえるかもしれません。

しかし、ギリシャの格下げ問題などもあってユーロが売られやすい局面であることから、ドル買戻しの動きは、もう少し続くと見たほうがよさそうです。ドル安の動きに歯止めがかかるのであれば、日本の輸出がすぐに変調をきたすことはなく、輸出主導の景気回復、という構造は、相変わらず変わらないわけですが、日本景気の回復の動きも続くことになります。日本株もペースは緩やかながらも上昇基調が続いています。繰り返しになりますが、ドル安に歯止めがかかる間、日本の個人投資家は、比較的安心して相場を眺めることができる気がしています。


村田雅志(むらた・まさし)

●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

日本経済新聞社がまとめた「社長100人アンケート」によると、
日本景気が本格回復する前に再び下降する「二番底」を
警戒している経営者は全体の何%?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

47.2%


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03月05日更新

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村田雅志(むらた・まさし)

FXCMジャパン チーフエコノミスト 兼 営業部長
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
09年4月より専修大学客員教授。09年6月より現職。
東京工業大学生命理工学研究科修士課程修了、Columbia University Master of International Affairs修了、政策研究大学院大学博士課程単位取得退学。
著書に「景気予測から始める株式投資入門」、「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」、「一冊まるごと投資商品超入門」、「実質ハイパーインフレが日本を襲う」など

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