景気回復を実感できるのは来年の日本経済
5月6日付のフジサンケイビジネスアイ(WEB版)は、日本のエコノミスト15人を対象に実施した緊急アンケートの結果を紹介しています。記事によると、日本景気の回復時期について、今年(2009年)後半と予想する回答がもっとも多かったようです。
あくまで疎(うろ)覚えでしかありませんが、半年くらい前まで、日本のエコノミストの間では、日本の景気回復の時期を来年(2010年)とする見方が多かったような気がします。足元のアンケート結果をみる限り、エコノミストの景気に対する見方は、回復の時期が早まってきたといえそうです。
回復の時期が早まりそうだ、という見方は、エコノミストだけでなく、株式市場でも強まっているようです。ダウ工業株30種平均は、8400ドル台を回復し、日経平均株価も9,300円台を回復しています。
以前に比べ景気の先行きに対する安心感が強まっているのは、景気との連動性が強いとされる鉱工業生産が落ち着きを見せつつあるからです。日本の鉱工業生産は、3月に前月比1.6%プラスと、6カ月ぶりの上昇となり、4月、5月の予測指数も上昇となっています。あくまで鉱工業生産だけからの予測になりますが、以前に比べれば、4-6月期の実質GDP成長率が、前期比プラスになる可能性が高まっているといえます。
ただ、このまま日本の景気が回復軌道に乗れば、大変喜ばしいことではありますが、今年いっぱいくらいは慎重な姿勢を崩さないほうが無難に思えます。景気の悪化に歯止めがかかりつつあるとはいえ、日本景気のカンフル剤である輸出においては、回復にしばらく時間がかかるように思えるからです。
輸出の回復に不可欠なのが米国経済の立ち直りでしょう。米国政府とFRBによるなりふり構わない経済対策もあって、米国景気の悪化に落ち着きは見られるものの、今年も米国の成長率はマイナスとなる可能性が高いのは事実です。中国が世界経済のけん引役となる可能性は否定しないものの、中国だけで日本の輸出が拡大に向かうとは考えにくい気がします。
おそらく今年の日本景気は、悪化に歯止めがかかり底打ちするものの、回復ペースが緩慢なものになるのでしょう。一般の方々にとっては、方向感が回復基調であっても、ペースが緩やかである以上、景気が回復に向かっていると実感するのは来年のことといえそうです。
村田雅志(むらた・まさし)
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