村田雅志のKlugView グローバル投資のポイント

あくまで過去の結果でしかないマイナスとなったオーストラリアのGDP

3月4日、オーストラリアのGDPが発表され、2008年10-12月期の実質成長率は、前期比0.5%の減少となりました。オーストラリアのGDP成長率がマイナスになるのは、一般消費税の導入直後にあたる2000年10-12月期以来のこととなります。

外国為替市場では、8年ぶりのGDPマイナス、ということで、オーストラリアの景気後退懸念が強まっているようです。オーストラリア景気が悪化するのであれば、オーストラリアの中央銀行であるRBAは、追加利下げをするだろと予想されます。追加利下げとなれば、オーストラリアドルを支えている(比較的)高い金利という要因もなくなりますので、オーストラリアドルは下落する、というシナリオの現実味が高まります。

ただ、8年ぶりのマイナスとなったオーストリアのGDPが、昨年10-12月期の結果であることに注意を払う必要があるでしょう。3カ月以上も前の経済情勢で、オーストラリア景気の状況を考えるのは、不適切といえなくもありません。

オーストラリアの最大の輸出先である中国は、3月5日に開催した全国人民代表大会(全人代)にて、今年の目標である8%成長の達成は可能との見方を表明しています。仮にこの見方が現実のものとなれば、オーストラリアの輸出も拡大し、景気回復を後押しすると思われます。

米国と違い、オーストラリアでは、雇用の減少に歯止めの兆しが出てきた点も忘れてはなりません。1月の雇用統計では、失業率は上昇したものの、雇用者数は市場予想に反し、前月比1200人の増加に転じています。

世界的な景気減速の中、オーストラリアだけが、景気後退の波を避けることができないのは事実です。ただ、経済指標を見る上で重要なのは、現在により近い結果を重視することです。GDPは、景気を示す代表的な指標でありますが、あくまで過去を振り返る参考指標と考えた方が合理的な気がします。


村田雅志(むらた・まさし)

●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

2008年10-12月期のオーストラリアのGDP伸びはどれくらい?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

前期比0.5%の減少


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村田雅志(むらた・まさし)

FXCMジャパン チーフエコノミスト 兼 営業部長
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
09年4月より専修大学客員教授。09年6月より現職。
東京工業大学生命理工学研究科修士課程修了、Columbia University Master of International Affairs修了、政策研究大学院大学博士課程単位取得退学。
著書に「景気予測から始める株式投資入門」、「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」、「一冊まるごと投資商品超入門」、「実質ハイパーインフレが日本を襲う」など

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