村田雅志のKlugView グローバル投資のポイント

投信業界に変化をもたらす海外株価指数連動型ETFの出現

一部報道によると、大阪証券取引所(大証)は、7月にもロシアと南アフリカ共和国(南アフリカ)の株価指数に連動する上場投資信託(ETF)を上場させるようです。上場されるETFは、ロシアの代表的な株価指数のRTS指数と南アのヨハネスブルク証券取引所の指数の見込みです。

大証は、すでに中国の株価指数に連動するETFを上場させており、東京証券取引所(東証)も中国、韓国の株価指数に連動するETFを上場させています。7月にロシアと南アフリカのETFが上場されれば、日本の個人投資家は、ETFを購入することで、中国、韓国、ロシア、南アフリカの4カ国の株価指数に連動した投資が可能となります。

これまで、日本の個人投資家が海外株指数に連動した投資をするためには、海外株指数に連動するインデックス(指数型)ファンドと呼ばれる投資信託を購入するしかありませんでした。しかし、海外株指数に連動する投資信託は、国内株を対象とした投資信託に比べ信託報酬(一種の手数料)が高く、個人投資家にとって、やや使いにくいものでした。

一方、ETFは、海外株指数に連動する投資信託に比べ信託報酬が低い傾向にあります。投資期間が長ければ長いほど、信託報酬の高低が投資リターンに大きな影響を及ぼしますので、長期的に海外株指数への投資を希望する個人投資家ほど、投資信託ではなくETFを選択することが合理的といえます。

大証がロシアと南アフリカの株価に連動したETFを上場させるきっかけとなったのは、金融商品取引法(金商法)の改正です。金商法の改正により、日本のETFに海外株指数や商品などを組み込むことが可能になりました。東証、大証とも、(法律の改正という追い風もあって)ETFを取引所活性化の一手段と位置づけているようですので、今回のロシア、南アフリカに限らず、今後も様々な国々の株価指数に連動したETFが出現すると思われます。

この場合、ビジネスとして難しくなるのが海外株指数を対象とした投資信託を組成する運用会社や、そうした投資信託を販売する証券会社の2つです。また、海外株投資を仲介することをメインとする証券会社も苦しい立場になるでしょう。こうした企業達が、海外ETFという強敵に対してどのような対応策を講じていくかが、証券業界や投資信託業界での注目ポイントになるのかもしれません。


村田雅志(むらた・まさし)

●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

大阪証券取引所が7月に上場させる(といわれている)
海外の株価指数に連動するETFは、
どこの国を対象としている?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

ロシアと南アフリカ共和国


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村田雅志(むらた・まさし)

FXCMジャパン チーフエコノミスト 兼 営業部長
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
09年4月より専修大学客員教授。09年6月より現職。
東京工業大学生命理工学研究科修士課程修了、Columbia University Master of International Affairs修了、政策研究大学院大学博士課程単位取得退学。
著書に「景気予測から始める株式投資入門」、「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」、「一冊まるごと投資商品超入門」、「実質ハイパーインフレが日本を襲う」など

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