【NY市場】円全面安、米雇用統計で楽観論広がる
5日のNY市場は円が全面安となった。この日発表された2月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比3.6万人減、失業率が9.7%となり、市場予想ほど悪化しなかった。市場では大雪の影響で雇用者数が7万人近く減少、失業率が9.8%に悪化すると見込まれていた。下振れ警戒感が強かっただけに、発表後は景気回復に楽観的な見方が広がった。ドル円は89.30レベルから90.60レベルまで上昇。2月25日以来となる90円台に乗せた。ローマー米CEA委員長が声明で、大雪の影響で統計に歪みが生じた可能性、今後数ヶ月以内に雇用者数が増加に転じる可能性を指摘したことも楽観論を後押しした。カナダ円を筆頭にクロス円も急伸した。カナダ円は86.60レベルから88.20レベルまで上昇、株高・商品高など資源国通貨に追い風が吹いたことでドル円を凌ぐペースで買われた。ダウ平均は120ドル超上昇、約1ヶ月半ぶりの高値を付けた。ユーロ円は121.30レベルから123.30レベル、ポンド円は134.40レベルから137.05レベル、豪ドル円は80.70レベルから82.30レベルまで上昇した。
◆欧州通貨、リスク選好の流れで切り返す
ユーロドルなど欧州通貨はリスク選好の流れを背景に上昇した。米雇用統計の発表直後はドル買いが先行、ユーロドルは1.3580レベルから1.3530レベル、ポンドドルは1.5045レベルから1.4990レベルまで下落した。ただ、ダウ平均が100ドル近く上昇、クロス円が一段高になると、この流れに乗る形で欧州通貨は切り返している。ユーロドルは1.3630レベル、ポンドドルは1.5165レベルまで上昇、この日の高値を更新した。きのう売られた反動で下値では買い戻しも入っていたようだ。米国債利回りは上昇したが、金利上昇を背景としたドル買いは一時的だった。
◆米雇用統計、天候要因を考慮すればまずまず
きょう発表された2月の米雇用統計はまずまずの結果だった。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比3.6万人減と、前回1月(前月比2.6万人減)を上回る減少幅だったが、全体に先行する人材派遣業は前月比4.75万人増と5ヵ月連続でプラスだった。雇用創出に貢献した業種の比率を示す民間雇用DIは48.0と2ヶ月連続で改善した。大雪の影響で建設業や運輸業は雇用者数が大きく落ち込んだが、全体としてみれば、雇用者数の減少は小幅だった。ただ、FRBの早期利上げ期待が再燃する状況には至っていない。単月のデータで金融政策を判断すべきではないとの見方が背景。下振れ警戒感が強かっただけに、過度の悲観論が後退したと考えたほうが無難のようだ。
(Klugアナリスト 鈴木崇浩)
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