コーン市場にどう影響?需給報告のポイントとは
1月12日に急落場面を演じ、その後も続落して一時は600セントを割り込んでいたシカゴコーンは、1月下旬に反発に転じました。2月にかけて続伸場面が続いた結果、現在は急落前の水準までほぼ値を戻し、640セントを下値サポートにしての推移が続いています。
このようにコーン価格が大きく高下した理由としては以下のことが挙げられるでしょう。まず、価格下落局面に関しては、弱気な需給報告の発表、欧州の財務問題に対する懸念からリスク回避のための資金流出の動きが活発化したこと、乾燥が続いていた南米諸国での天候回復、が背景となっていました。
次に価格上昇を促した材料ですが、米国の現物価格の上昇、好調な輸出、米国のドル安見通し、世界第2位の輸出国であるアルゼンチンの減産観測といった複数の要因が挙げられます。
特に、現物価格が高騰した結果、現物価格と先物価格の差を示すコーンベーシスは18年ぶりの高値まで上昇していたことがコーン価格を引き上げる大きな要因になったと考えられます。
ベーシスとは前述のように現物価格と先物価格の差を示しています。そのため、現物価格が上昇すればするほど拡大することになります。また、拡大傾向が顕著になれば、それだけ現物の需要が膨らんでいると考えることが出来るため、足元の需要動向を探るうえでも重要な指標とされています。そのベーシスが、1月には18年ぶりとも言われる水準まで拡大していたのです。
米国農務省の発表によると、メキシコ湾岸の現物価格と先物価格とのベーシスは、昨年12月半ば~12月27日にかけての時期には40セント台半ばで推移していました。
しかしながら、その後は次第に拡大傾向を強め、12月末から1月上旬に50セント台に乗せてきただけでなく、1月17日には60セントを突破、そして1月26日には67セント~88セントという記録的な水準に達していたのです。
ちなみに、2月3日現在のベーシスは67~68セントであり、一時期に比べると落ち着きが見られますが、それでも高い水準にあります。これは、現物に対する需要が依然として根強いことを示していると言えるでしょう。
この米国産のコーン現物に対する根強い需要とこれを背景にして拡大したベーシスの動きがコーン価格が1月下旬に上昇し、現在も高い水準で高下している主な理由と思われます。
このようなことから、現地9日に発表される需給報告では、これまで価格が上昇するなかで市場が織り込んできた、現物需要の高まり→輸出用需要の増加、そして輸出用需要の拡大→米国内の期末在庫の圧縮、という観測が示現されるのかどうか、という点がポイントになってくるように思われます。
また、南米諸国が乾燥に見舞われた結果、世界第2位の輸出国であるアルゼンチンなどで減産観測が台頭するなか、これからも米国産コーンに対しては根強い引き合いが見られる可能性が高まり、これもコーン価格を後押しする要因となっていました。
それだけに、アルゼンチンのコーン生産量がどの程度修正されるのか、もしくは修正されないのか、という点も注目すべきところとなっています。
とはいえ、需給報告の内容が事前予想よりも弱い内容だったとしても、ベーシスが高い水準を維持するようであれば、需給報告のインパクトはごく一時的なものに限られたものになりそうです。
というのも、米国のコーン輸出市場における占有率が高いこと、従来ならば南米の収穫期に当たるこれからの時期は米国のコーン輸出に対する引き合いは弱まると考えられること、米国の超低金利政策の長期化見通しに伴うドル安が米国のコーン輸出を後押しすると見られること、などの理由が挙げられるからです。
そのため、現在の市場では足元の需要の根強さの方が強く意識される可能性があり、これに伴ってコーン価格も底意の強い足取りを展開するになりそうです。
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